🔖シリーズ企画 防災庁を呼べ!第2回 「防災庁」がない日本──災害大国に“司令塔”がなかった理由とは?

📘 防災知識:このカテゴリでは、南海トラフ地震南海トラフ巨大災害などの災害リスク、地震予知、プレート理論など、防災に関する知識をわかりやすく解説しています。

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今回のシリーズテーマ!

 

【防災庁シリーズ】全6回 内閣府提言書記事あり

第1回:防災庁を呼べ! ―未来と子どもと家族のために!!「1人の自分は関係ない?」

第2回:防災庁を呼べ!第2回 「防災庁」がない日本──災害大国に“司令塔”がなかった理由とは?

第3回:防災庁を呼べ! 第3回:「防災庁」はどこに置くべきか?──地方誘致と“司令塔の距離”問題に迫る!

第4回:「防災庁と内閣府は何が違うの?」  ──常設かつ現場連携を重視した“真の司令塔”とは何か

第5回:📝シリーズ企画|防災庁を呼べ! 第5回:「防災庁ができたら何が変わる?」

第6回:🏛️ シリーズ企画|防災庁を呼べ!第6回 「防災庁の設計とは何か?──法律・政策・BCPを統合する“国家の防災設計図”を描け」 真っ先にすべきことは何なのか?

 

今回のテーマ!

 

📝シリーズ企画|防災庁を呼べ!

第2回「防災庁」がない日本──災害大国に“司令塔”がなかった理由とは?

 

■「防災庁」って、そもそも存在しない?

「防災庁」──この名前、聞いたことありますか?
実は日本には、防災庁という組織は存在しません。

台風、地震津波、火山、そして原発災害…。
世界的に見ても“災害の種類”がここまで多い国は珍しいにもかかわらず、
日本では有事に全体を統括する“常設の司令塔”が存在していないのです。

代わりに災害時には、以下のような複数の省庁が連携して対応します。

このように、関係機関は多数あっても、
「誰が総指揮を執るのか」が明確でない構造になっているのが現状です。

 

東日本大震災で露呈した“統一指揮の不在”

この構造が抱えるリスクが、最も顕在化したのが
2011年3月11日の東日本大震災でした。

当時の菅直人首相は、首相官邸の「危機管理センター」を中心に指揮をとる立場でした。
しかし、現場の状況や各省庁からの情報が錯綜し、実質的な司令塔として機能したとは言い難い場面も多くありました。

特に福島第一原発事故への対応では、
官邸主導で東京電力本店に乗り込むという異例の行動が取られましたが、
結果的には指揮命令の混乱を招き、現場と政府との意思疎通に重大な支障が出たとされています。

のちに行われた「東電福島原発事故独立検証委員会」報告書(いわゆる民間事故調)でも、

「情報の集約と判断機能が官邸に集中しすぎたことが混乱を助長した」
と明記されており、**“本来の指揮体制の欠如”**が深刻な影響を与えたと分析されています。

 

■“防災庁構想”はなぜ成立しなかったのか?

実は、東日本大震災後には「防災庁の創設」を求める声が一部で高まりました。
自民党公明党内にも具体的な組織構想が持ち上がったことがあります。

ですが、今に至るまで防災庁は創設されていません。

理由は主に3つです。

①「省庁の再編」に強い抵抗

→ 防災庁を新設するには、複数の省庁(消防庁内閣府防災、国交省など)の業務を一元化する必要があります。
しかし、各省庁はそれぞれ専門分野と権限を持ち、省益を守ろうとする力も働きます。結果、政治的調整が難航します。

②「災害対策基本法」が内閣府中心に設計されている

→ 日本の防災制度は基本的に「災害対策基本法」をベースに、都道府県・市町村・関係機関が連携して動く仕組みです。
その中核を担うのが「内閣府防災」。
つまり、法制度上すでに“防災の中枢”が内閣府にあるため、新たな庁を設けにくい事情があります。

③災害が起きないと“必要性が伝わりづらい”

→ 防災庁のような組織は“平時にこそ存在価値がある”ものですが、政治の関心はどうしても“起きてから”向かう傾向があります。
「今は大丈夫だから」という理由で先送りにされ続けてきたとも言えるのです。

 

■では、“防災庁”は何を変えるのか?

ここで一度冷静に考えてみましょう。

「防災庁」ができたとして、それだけで災害対応が完璧になるわけではありません。
ただし、あるとないとでは“人々の安心感”や“連携の迅速さ”は確実に変わります。

例えば…

  • 「誰が指揮しているのか」が国民に明示される

  • 各省庁間の役割調整があらかじめ制度化される

  • 被災自治体が迷わず“報告・相談・要請”できる一本化された窓口ができる

  • メディア報道や住民への情報発信も、一本の流れで整理される

これらは、東日本大震災でも、令和の能登半島地震でも、
必要とされていたにもかかわらず機能しきらなかったポイントです。

 

■「名前」ではなく、「象徴」としての存在

防災庁という名前にこだわる必要はないかもしれません。
でも、「誰が全体の責任を持って動いているのか」を明示する“指揮体制”は絶対に必要です。

それは組織としての完成度よりも、
「国民が安心して従える司令塔がいる」という認識があるかどうか。

その意味で、“防災庁”とは「建物」や「肩書き」ではなく、
**「想像力と責任の象徴」**であるべきなのです。

 

■次の大災害を前に、私たちにできること

次に巨大地震や台風が襲ってきたとき、
またあのような“誰が責任を持っているのか分からない”状況が繰り返されるのでしょうか。

防災庁は、政治家だけが呼ぶものではありません。
私たち一人ひとりの“気づき”と“声”が、未来の司令塔を形作るのです。

 

 

【防災庁シリーズ】

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🔖シリーズ企画 防災庁を呼べ! 第3回:「防災庁」はどこに置くべきか?──地方誘致と“司令塔の距離”問題に迫る!

 

 

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