防災ブログ・「みのるの備え日記」香川県から未来への不安・家族を守る設計図―BCPとFCP

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08|令和8年8月千葉豪雨災害は保険適用されるのか? 過去の豪雨災害から見る「水没車・住宅・事業所」の保険  2026.8.14更新

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【情報提供者】

防災士・BCP・リスクマネジメントの研究発信者

運営管理者 みのる防災総合事務所  代表 森 実成 

 

今回の記事


 

千葉豪雨災害は保険適用されるのか?

千葉豪雨災害は保険適用されるのか?



 

08|令和8年8月千葉豪雨災害は保険適用されるのか?

過去の豪雨災害から見る「水没車・住宅・事業所」の保険

2026年8月13日から14日にかけて、千葉県内では猛烈な雨による冠水・浸水被害が発生しました。

今回、特に衝撃的だったのが、

道路上で走行不能となり、その場に残された車両の多さです。

報道によると、千葉県と千葉市が管理する道路では、放置された車両が1,200台を超える見通しとなり、災害対策基本法に基づく車両移動も始まっています。

もちろん、

「放置車両1,200台=水没車1,200台」

ではありません。

冠水によって走行できなくなった車、道路閉鎖などによって残された車なども含まれるため、最終的な被害台数は今後の調査を待つ必要があります。

しかし、これだけの車両が道路上で動けなくなった災害です。

当然、これから問題になるのが、

「保険は使えるのか?」

という問題です。

今回は、過去の豪雨災害で実際に支払われた保険金を確認しながら、千葉豪雨で利用できる可能性がある保険について整理してみます。


結論|豪雨による水害は保険の対象になる可能性がある

最初に結論を書きます。

今回のような、

  • 豪雨

  • 洪水

  • 道路冠水

  • 内水氾濫

  • 高潮

  • 土砂災害

などによって生じた損害は、

契約している保険の内容によっては補償対象になります。

代表的なのが、

自動車 → 車両保険

住宅 → 火災保険の水災補償

です。

日本損害保険協会も、任意の自動車保険で「車両保険」を付けている場合、台風・高潮・洪水などによって自動車が損害を受けると保険金が支払われると説明しています。

東京海上日動も、

台風や大雨による洪水で自動車が水没した場合、車両保険を契約していれば補償される

と明示しています。

三井住友海上も同様に、台風・竜巻・洪水・高潮などによる水没を車両保険の補償対象としています。

つまり、

今回の千葉豪雨だから保険が使えない、ということではありません。

むしろ過去の災害を見ると、大規模豪雨では実際に大量の車両保険が支払われています。


過去の豪雨では何万台もの車に保険金が支払われている

ここを見ると、今回の千葉豪雨が今後どのような展開になるのかが分かりやすくなります。

平成30年7月豪雨

西日本を中心に大きな被害を出した平成30年7月豪雨。

日本損害保険協会の年度末集計では、

車両保険の支払台数 25,110台

支払保険金 約283億円

となっています。

単純平均すると、

1台あたり約113万円

という規模です。

もちろん、すべてが水没による全損ではありません。

商品車なども含まれているため単純比較はできませんが、

豪雨災害で自動車保険から数百億円規模の支払いが発生した

という事実は非常に重要です。


令和元年東日本台風では車両保険だけで約645億円

さらに大きかったのが、2019年の令和元年東日本台風です。

日本損害保険協会によると、

車両保険の支払件数 48,038件

支払保険金 約645億円

でした。

こちらは単純平均すると、

1件あたり約134万円。

さらに火災保険などを含めると、

総支払保険金は約5,826億円

という巨大な災害になっています。

豪雨・洪水災害というのは、

「家が浸水した」

だけではありません。

同時に、

  • 自動車

  • 住宅

  • 家財

  • 店舗

  • 工場

  • 設備

  • 商品

  • 機械

などへ被害が広がります。

したがって、一度広域水害が発生すると、

複数種類の保険事故が同時多発する

ことになります。


最近の豪雨でも約1万7,000台に車両保険

さらに最近の事例があります。

2025年8月6日から12日にかけて発生した大雨では、日本損害保険協会の2025年8月29日時点の集計で、

車両保険の事故受付 17,882件

支払台数 16,988台

支払保険金 約130億円

となっています。

つまり、

大雨による自動車被害について保険会社が大量の事故処理を行うこと自体は、過去にも何度も起きています。

今回の千葉豪雨でも、今後同じことが起きる可能性があります。


水没して「廃車」になったらどうなる?

ここは特に気になるところです。

今回、深い冠水地点に取り残された車の映像が多数報道されています。

車は少し水に浸かっただけなら修理できる場合があります。

しかし、

  • エンジン

  • 電装系

  • ECU

  • 配線

  • センサー

  • ハイブリッドシステム

  • EVの高電圧システム

などまで水が入ると、修理費が非常に高額になることがあります。

修理不能、あるいは修理費が車両価額を上回るなどして保険上「全損」と判断された場合には、

車両保険金額など契約条件に基づいて保険金が支払われる可能性があります。

つまり、

水没 → 修理不能 → 全損 → 廃車

となっても、

「廃車だから保険が出ない」

ということではありません。

車両保険の対象事故であれば、全損として処理される可能性があります。

ただし、

新車を買った時の金額がそのまま戻ってくるとは限りません。

契約している車両保険金額、車両価額、免責金額、特約などによって支払額は変わります。


ただし「車両保険に入っていない車」は別

ここが今回、非常に大きな問題になる可能性があります。

任意保険に入っていても、

車両保険を付けていない人は珍しくありません。

対人賠償、対物賠償、人身傷害などには加入していても、

「自分の車の損害」を補償する車両保険を外しているケースがあります。

その場合、

洪水で自分の車が水没しても、原則として自分の自動車保険から車両損害が補償されない可能性があります。

日本損害保険協会も、水害について「車両保険をつけていると」保険金が支払われると説明しており、契約タイプによって支払われない場合があると注意喚起しています。

今回の1,200台以上という数字を見ると、

今後、

「水没した。でも車両保険に入っていなかった」

という問題が相当数発生する可能性があります。


車両保険を使うと翌年の保険料にも影響する

もう一つ覚えておきたいことがあります。

自然災害による車両保険の利用でも、契約によっては翌年以降の等級・保険料に影響します。

三井住友海上では、台風被害で車両保険を使用した場合、

継続契約では1等級ダウンし、事故有係数が適用される

と説明しています。

したがって小規模な損害の場合、

「修理費はいくらか」

「保険を使った場合、翌年以降の保険料はどうなるか」

を確認したうえで保険を使うか判断するケースも考えられます。

一方、全損に近い水没なら損害額そのものが非常に大きくなるため、状況はまったく違います。


住宅の浸水は火災保険

今回の千葉豪雨では、当然、自動車だけの問題ではありません。

住宅や店舗にも浸水被害が発生しています。

ここで確認してほしいのが、

火災保険の「水災補償」です。

「火災保険だから火事だけ」

と思われるかもしれませんが、火災保険には、

  • 洪水

  • 豪雨

  • 高潮

  • 土砂崩れ

などを対象とする水災補償があります。

ただし、

火災保険に入っていれば必ず水害が補償されるわけではありません。

水災補償を外している契約もあります。

損保ジャパンも、水災補償のないプランでは洪水などによる損害は補償されないと説明しています。


「床下浸水したから必ず保険が出る」でもない

もう一つ注意が必要です。

火災保険の水災には、契約によって支払条件があります。

例えば東京海上日動では、水災補償について、

  • 再取得価額の30%以上の損害

  • 床上浸水

  • 地盤面から45cmを超える浸水

などが支払条件として示されています。

したがって、

少し床下に水が入った=必ず火災保険が満額支払われる

というわけではありません。

保険会社・商品・加入時期・契約内容によって条件が違うため、

自分の保険証券を確認する必要があります。


そして企業では、さらに問題が複雑になる

今回の千葉豪雨をBCPの視点から見ると、さらに重要な問題があります。

例えば建設会社の場合です。

会社の敷地が冠水したとします。

そこに、

  • 社用車

  • トラック

  • ダンプ

  • バックホウ

  • ホイールローダー

  • 発電機

  • 建設機械

  • 工具

  • 資材

などが置かれていた場合、

すべて同じ保険で補償されるわけではありません。

自動車は自動車保険。

建物・設備は企業向け火災保険や財産保険。

建設機械は動産保険や機械向け保険など。

契約内容によって補償が分かれます。

そして、特に確認しなければならないのが、

「水災が補償されているか」

です。

保険に入っている。

だから安心。

ではありません。


千葉豪雨が示した「保険=BCPではない」という問題

そして今回、もう一つ考えてほしいことがあります。

仮に保険金が支払われたとしても、

翌朝、車が戻ってくるわけではありません。

例えば配送会社が10台の車を所有していて、

10台すべて冠水したとします。

車両保険で後から補償されたとしても、

翌日の配送業務はできません。

建設会社でも同じです。

重機が水没した。

保険は出る。

しかし、

明日の現場で使う重機はありません。

介護事業所の送迎車も同じです。

送迎車が水没すれば、

保険金とは別に、

「明日、利用者をどう送迎するのか」

という問題が発生します。

ここが、

保険とBCPの違いです。

保険は、

失った財産を経済的に回復する仕組み。

BCPは、

失った状態でも事業を続けるための仕組み。

両方必要なのです。


千葉豪雨を受けて、今確認してほしいこと

今回被災していない地域の方も、一度保険証券を確認してみてください。

確認するポイントは難しくありません。

自動車

車両保険に加入していますか?

そして、

台風・豪雨・洪水による水没は補償対象ですか?

自宅

火災保険に水災補償がありますか?

建物だけではなく、

家財も対象になっていますか?

会社

社用車、建物、設備、商品、重機、工具。

それぞれ何の保険で補償されていますか?

そして、

水災は対象ですか?

ここまで確認して初めて、

「うちは水害保険に入っている」

と言えると思います。


豪雨は「川の近くだけ」の災害ではない

今回の千葉豪雨で改めて考えなければならないのは、

水害リスクを河川だけで判断してはいけない

ということです。

短時間に猛烈な雨が降れば、

排水能力を超えて道路が冠水することがあります。

周囲に大きな川がなくても、

低地、くぼ地、アンダーパス、田畑、道路などで急激に水が集まる可能性があります。

つまり、

「川から離れているから水災補償はいらない」

という判断も、一度見直す必要があります。


今回の千葉豪雨は、これから「復旧の災害」に入る

災害は、雨が止んだら終わりではありません。

これから、

水没車の撤去。

修理。

廃車。

住宅の復旧。

店舗の復旧。

設備の交換。

保険会社への事故連絡。

損害調査。

保険金請求。

代替車両の確保。

事業再開。

という長い復旧段階に入ります。

過去の豪雨災害では、車両保険だけでも数万件、数百億円規模の保険金が支払われています。

今回の千葉豪雨についても、今後、日本損害保険協会などから、

事故受付件数

支払件数

支払保険金

が公表される可能性があります。

今回の「約1,200台の放置車両」が、

最終的に、

何台修理されたのか。

何台全損になったのか。

どれだけの保険金が支払われたのか。

ここまで追っていく必要があります。


まとめ|「保険に入っている」ではなく「何が補償されるか」を確認する

今回の千葉豪雨から学べることは、

保険に加入していることと、水害に備えていることは同じではない

ということです。

自動車保険に入っていても、

車両保険がなければ自分の水没車が補償されない場合があります。

火災保険に入っていても、

水災補償を外していれば洪水被害が補償されない場合があります。

企業も同様です。

そして保険金が支払われても、

事業がすぐ再開できるとは限りません。

今回の千葉豪雨を、

単なる「千葉で起きた災害」で終わらせず、

一度、

自分の車は?

自宅は?

会社は?

重機や設備は?

と、自分の保険証券を確認してみてください。

水害が起きてから、

「これは補償されますか?」

と調べるのではなく、

何も起きていない今、確認しておく。

それも大切な防災です。

そして企業にとっては、

保険で損失を補う準備と、止まった状態でも事業を続けるBCP。

この二つをセットで考える必要があります。


 

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【火災保険・地震保険シリーズ】

保健の選び方

第8回:千葉豪雨災害は保険適用されるのか? 過去の豪雨災害から見る「水没車・住宅・事業所」の保険

 

第7回:台風・豪雨・洪水で車が浸かったら保険は使える? 確認すべきなのは火災保険ではなく「車両保険」

 

第6回:あなたの車両保険、地震で壊れたら補償されますか? 被災後の「資金ショート」を止める“車の保険”の設計図

 

第5回:地震保険・火災保険の正しい選び方:リスクマネジメントで“家庭版BCP”として設計する

 

第4回:防災から見た“保険選び”の致命的欠陥 津波は火災保険の水災で出ない?ハザードマップ×カスケードで設計する地震保険

 

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