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はじめまして。このページでは「防災ってなにからはじめるの?」
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代表 森 実成


浸水時にやってはいけない避難(徒歩・車の判断基準)|“動くほど危険”を回避する
この記事の役割(時間軸ハブ:2.避難の判断)
前の記事で「避難情報の確認先(市町→気象庁→県)」を固定しました。
次に必要なのは、“避難する/しない”ではなく「どう動くか」 の判断です。
水害の怖さはここです。
浸水してから動くと、移動そのものが命取りになる。
だからこの記事は、浸水時にやってはいけない避難行動と、
徒歩・車の“切り替え基準”を整理します。
(時間軸ハブに戻る)
https://kagawabousaiminoru.com/entry/kagawabousaiMAP
(直前の記事)
https://kagawabousaiminoru.com/entry/hinanjyouhoukakunin
先に結論:水害は「早めに動く」か「動かない(垂直避難)」の二択になりやすい
浸水時の判断はシンプルです。
- 浸水する前:避難所・縁故避難へ「早めに動く」
- すでに浸水が始まった/外が危ない:無理に移動せず、垂直避難(上階へ) や近隣の頑丈な建物へ切り替える
消防庁の教材でも「原則は浸水する前に避難」とされ、冠水してからの避難は危険が増えると説明されています。
1. 徒歩で“やってはいけない”避難
やってはいけない①:冠水路を「見た目」で歩く(足元が見えない)
冠水路は、水面下に危険が隠れます。
- ふたが外れたマンホール
- 側溝・用水路
- 段差・穴・落下物
消防庁の教材でも「棒で足元を確認しながら歩く」など、冠水時の危険が具体的に書かれています。
✅ どうしても歩くなら(最低限の条件)
- 2人以上で行動
- 長い棒(傘でも可)で足元確認
- 長靴より脱げにくい靴(スニーカー系)
- 流れがある場所は避ける(流速があると一気に危険)
やってはいけない②:アンダーパス・低い道路へ突っ込む
アンダーパス(道路のくぼみ)は、浸水が深くなりやすい危険箇所として、国の避難関連資料でも注意点に挙げられています。
✅ ルール化
雨の日は「アンダーパスに入らない」を家族ルールにする
やってはいけない③:子ども・高齢者と“浸水路を移動”する
浸水は「歩ける/歩けない」の境界が急です。
(参考として、国交省資料では歩行困難の目安に触れています。※地下空間を想定した古い資料ですが“歩行の限界が早く来る”という観点の参考にはなります。)
✅ 結論
- 子ども・高齢者がいるほど、浸水前に先行避難が安全側
- 浸水後は、移動よりも 上へ(垂直避難) の判断が増えます
2. 車で“やってはいけない”避難
やってはいけない①:冠水している道路に入る(原則NG)
国土交通省は、冠水路走行について次のように注意喚起しています。
- 水深が車両の床面を超えると、電気装置等の故障や停止の恐れ
- 水深がドア高さの半分を超えると、内側からほぼ開けられなくなる
つまり、冠水路に入ると
「動けなくなる」+「出られなくなる」
の二重事故になり得ます。
✅ ルール化(結論)
冠水が見えたら、車は“引き返す”が正解。入らない。
やってはいけない②:水深が浅そうでもスピードを出す
国交省の注意喚起では、床面以下の水深でも
速度や波で吸気口から浸水してエンジン停止のおそれがある、とされています。
さらにJAFの検証でも、水深30cm・60cmの冠水路走行で車体への影響や停止リスクが示され、「冠水路には進入しないこと」 と注意されています。
やってはいけない③:アンダーパスに入る(車は特に危険)
アンダーパスは徒歩同様に危険ですが、車の場合は
「気づいた時には戻れない」 になりやすい。
✅ 香川版の現実ルール
“くぼみ”と“地下”は入らない。迷ったら別ルート。
3. 「徒歩」「車」「垂直避難」切り替えの判断基準(香川版)
まず、避難の最優先は「浸水する前」
消防庁教材でも「浸水する前の早めの避難」が原則です。
だから香川の現実解はこれ。
- ハザード内(浸水想定区域)
- 高齢者・子どもがいる
- 夜になりそう/雨が強まる
→ レベル3相当の段階で先行避難が安全側
すでに浸水が始まったら:「避難所へ行く」より「命を守る移動」
浸水後は、避難所へ向かうより
- 上階へ移動(垂直避難)
- 近隣の頑丈な建物へ移動
- 可能なら早めに救助要請
へ切り替える場面が増えます。
浸水深と被害の目安(床下〜床上など)の考え方は、国交省「川の防災情報」の整理が分かりやすいです。
(※「水深が増える=生活が止まる」判断の補助に使えます)
4. もし車が止まったら(ここも命を分ける)
国交省が指摘する通り、深くなると ドアが開かない ことがあります。
✅ 基本動作(危険回避)
- できるだけ早い段階で安全な場所へ退避(引き返す)
- 水位が上がる前に、脱出の準備(シートベルト解除、窓開け)
- ドアが重いと感じたら、窓からの脱出が必要になる可能性
(※状況により危険が変わるので、そもそも冠水路に入らないのが最重要)
5. 次に読む(この章の分岐)
ここまでで「危険な移動」を避ける基準ができました。
次は、家族全員が同じ判断をできるように ルール化します。
👉【家族会議:避難の合言葉と集合ルール(香川版)】
(時間軸ハブから移動)
https://kagawabousaiminoru.com/entry/kagawabousaiMAP
水害は「浸水する前に避難」か「浸水後は垂直避難」になりやすい。
冠水路は歩かない・車で入らない。
追記:紹介
さぐり棒(香川大学)とは?浸水時に命を守る“最後のローテク”|香川版
この記事の役割(時間軸ハブ:2.避難の判断/浸水時の補助)
浸水時の徒歩避難で一番怖いのは、
水面下の危険が見えないことです。
- 側溝
- マンホール
- 段差
- 用水路の縁
- 落下物
「見えない穴」に落ちて、動けなくなる。
これが水害避難の致命傷になります。
そこで香川大学が提唱しているのが、浸水時の足元確認に使う 「さぐり棒」 です。
香川大学の公式資料(PDF)も公開されています。
https://www.kagawa-u.ac.jp/files/5715/5262/3007/saguribou.pdf
先に結論:さぐり棒は“推奨の避難手段”ではなく「最後の安全装置」
ここが大事です。
さぐり棒は、浸水後に無理して歩くための道具ではありません。
本来の原則は、この記事(浸水時の避難判断)で整理した通り、
- 浸水する前に早めに避難
- 浸水後は垂直避難(上階へ)に切り替える
です。
その上で、どうしても徒歩移動が避けられない局面で、
危険を下げるための“最後の道具”として持っておく。
これが「さぐり棒」の位置づけです。
さぐり棒とは?(30秒で理解)
さぐり棒=水中の段差や穴を、棒で探りながら進むための道具です。
浸水時に足元が見えない状態で一歩踏み出すのは危険です。
棒を前に出して、水中を探り、危険を察知しながら進む。
それがさぐり棒の考え方です。
さぐり棒の“香川版”使い方(基本手順)
※詳しい図解は香川大学の公式PDFを参照してください。
https://www.kagawa-u.ac.jp/files/5715/5262/3007/saguribou.pdf
手順①:棒で「前方」と「一歩先の足元」を探る
- 足を出す前に、棒を前へ
- 段差、穴、側溝の縁を探る
- “沈む感じ”や“急に深くなる”感触があれば進まない
手順②:ゆっくり、短い歩幅で進む
- 大股で進まない
- 一歩ずつ“安全を確認してから”進む
- 流れがある場所は避ける(流れがあるだけで危険が跳ね上がる)
手順③:必ず2人以上で行動(できれば)
浸水時の徒歩移動は、単独行動が危険です。
転倒・転落・ケガをした時に助けを呼べない。
できれば「2人以上」で、声かけしながら移動します。
さぐり棒が効く場面/効かない場面
効く場面
- 冠水で足元が見えないが、どうしても短距離の移動が必要
- 周囲に流れがなく、比較的静かな冠水
- 段差・側溝の多い住宅地の移動
効かない(やってはいけない)場面
- 水が流れている(流速がある)
- 夜間で視界が極端に悪い
- アンダーパスや地下、低地へ入る
- 「長距離を歩いて避難所へ行く」判断(基本は避難のタイミングが遅い)
家庭での準備(平時の“備え”として)
さぐり棒は、高価な道具ではありません。
ただ、災害時に急に用意はできません。
置き場所の考え方
- 玄関・物置など、すぐ手に取れる位置
- 懐中電灯・レインウェアとセット化
最低限セット(相性が良いもの)
- さぐり棒(代用するなら長い棒)
- 軍手
- ヘッドライト(両手が空く)
- 反射材(夜間対策)
- ホイッスル(助けを呼ぶ)
公式参考(香川大学)
- さぐり棒(PDF)
https://www.kagawa-u.ac.jp/files/5715/5262/3007/saguribou.pdf - 香川大学 ローテク防災術(入口)
https://www.kagawa-u.ac.jp/dpec/low_tech/
次に読む(ポータルの流れ)
さぐり棒は「浸水時の最終装備」です。
本丸は、そもそも危険な移動を避ける判断基準です。
- 【浸水時にやってはいけない避難(徒歩・車の判断基準)】
(あなたの該当記事へリンクを設置)
そして、家族全員が同じ判断をできるようにルール化へ進みます。
- 【家族会議:避難の合言葉と集合ルール(香川版)】
(次の分岐記事へ)
さぐり棒は、浸水後に“どうしても歩く必要がある時”の最後の安全装置。
本来は「浸水前に避難」または「浸水後は垂直避難」が原則です。

