トカラ群発地震-再調査8:停滞の理由と“続く可能性”──2025年群発地震の裏側

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【トカラ地震シリーズ2025】全調査記事

第10記事 トカラ列島地震-再調査10:終章──「知る」から「構える」へ。トカラ地震が教えてくれたもの

第9記事 トカラ列島群発地震-再調査9:論点の相違──「科学的に関係ない」と「感覚的に怖い」のあいだで

第8記事 トカラ群発地震-再調査8:停滞の理由と“続く可能性”──2025年群発地震の裏側

第7記事 (学者の地震分析と見解)第3回:「トカラ列島地震」研究者はどう見ている?──構造派×流体派×複合

第6記事  (構造) 再調査!第2回:なぜ多い?──沈み込みと沖縄トラフに“挟まれた地帯” 

第5記事 (歴史)第1回:トカラ地震の歴史──群発の年表と特徴(100年俯瞰)

第4記事 (ガイダンス)特集!再調査「トカラ地震とはなにか?」ガイダンス編-みんなの疑問に答える

第4~10記事は再調査記事

第3記事 トカラ列島の群発地震は“序章”なのか? ──次に来る可能性と構える防災 【 2025年・最新考察】

第2記事【備えるトカラ2】止まらない群発地震──不確実性が教えてくれる“構える防災”

第1記事【なぜ頻発?】トカラ列島で地震が止まらない理由と「備え方」3選【2025年最新版】

 

今回のテーマ!

© 2025 Minoru Mori 本作は Creative Commons 表示 4.0 国際ライセンスのもとで提供されます。 https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/

トカラ群発地震

再調査8:停滞の理由と“続く可能性”──2025年群発地震の裏側

(※2025年11月時点)

どうも、みのる防災総合事務所のみのるです。
今回は、シリーズで追ってきた トカラ列島近海における群発地震について、2025年6月21日以降の経過と11月時点での動きを加味しながら、「なぜ停滞に見えるのか」「でも終わったわけではない」という視点から整理していきます。防災士・大学院生として学びながら発信している私だからこそ、専門と現場の橋渡しを意識して解説します。


1. 活発化から“停滞感”へ──2025年6~9月の動き

2025年6月21日、トカラ列島近海で群発地震が始まりました。 気象庁+2bosaijoho.net+2
7月2日15時26分には M 5.6(Mw 5.7相当)の地震、翌7月3日16時13分には最大震度6弱を観測。 ウィキペディア+1
7月14日時点では、2021回を超える震度1以上の地震が報告され、専門機関も「日による変動はあるものの、目立って減っているとは言えない状況」と述べています。 bosaijoho.net
8月12日の発表では、7月20日頃から回数・規模ともに「やや低下傾向にある」が、「収束という段階には入っていない」との見方が示されました。 気象庁
9月13日には震度4を観測した地震も報告されています。 ウェザーニュース
そして11月10日には累計2,391回目の有感地震という報道も出ています。 南日本新聞デジタル
これが端的に示すのは――「揺れは減ってきたようにも見えるが、完全には止まっていない」ということです。


2. “停滞”に見える状態の正体

なぜ「止まったんじゃないか」と感じてしまうのか?その背景には次のような理由があります。

(1) 回数と規模の混在

活動初期では「1日100回超」「有感地震数千回ペース」という数字が目立ちました。例えば6月21日~29日だけで500回以上という報道もありました。 ウェザーニュース
その後、7月末には“数十回/日”レベルに落ち着く日も出てきました。これは「回数が減った=終わった」という印象を与えがちです。
しかしながら、過去群発の終息末期にも「回数だけが落ちてから、再活発化した例」があります。起きる確率そのものがゼロになったわけではありません。

(2) 規模の“最大震度”更新がない安心感

7月3日の震度6弱がピークとして、以降「震度5弱・震度4」が中心という報道が多くなっています。これは一見「もう終わりかもしれない」と思わせる要因です。
しかし、規模が縮まった=安心、ではなく、「規模が縮まったまま時間が経過する」ことこそ “続いていく群発の典型” と言えます。

(3) メディア・日常の回帰

8月には島内で学校が出校したという報道も出ました。 TBS NEWS DIG
つまり「日常に戻りつつある」印象が強まり、“備え緊張感”が薄れがちです。でも、これは現象が終息した証ではなく、「慣れ・日常化」の兆しでもあります。


3. 続く可能性を示す“科学的な視点”

停滞ではあるが、終息を断言できない根拠を科学的に整理します。

(1) 位置・構造の特殊性

トカラ列島近海は、東でプレートが沈み込み、西で海底が拡張する「押す × 引く」構造の交差点に位置しており、三層構造(押し込み型、拡張型、火山型)が複合的に働く場所です。
このため、断層ズレ・熱水・マグマ活動といった複数のメカニズムが絡み合いやすく、一つの活動が止まっても、他の要因が残っている可能性があります。

(2) 応力転移・連鎖の可能性

例えば、 東北大学 の関連研究では「1つの地震が数百キロ離れた地殻の歪みに影響を及ぼし、別の大地震を誘発する可能性がある」ことが示唆されています。
この観点から見ると、トカラ群発の“後半”が他の活断層への影響を残している可能性も否定できません。
(※直接的な因果関係を断定するには至っていないものの、「遠因になり得る」という視点が科学的には有効です)

(3) 実観測データの継続性

11月10日時点で累計およそ2,391回(震度1以上)という報道が出ています。上述のように回数は減少傾向にあっても、地震活動そのものが“継続中”という現実が示されています。 南日本新聞デジタル+1
気象庁も「終息特定には至っていない」「当面、震度6弱程度に注意が必要」としています。 bosaijoho.net+1
この「収束ではなく継続」の形が、群発地震の典型の一つとも言えます。


4. 防災士みのるの“構える”ための3ステップ

では、私「みのる防災」の視点から、防災としてどう向き合うかを整理します。

ステップ①:知る

「この地域だけの話」「離れた島だけの心配」ではありません。
トカラ群発は、地震 “学びのモデル” として全国の私たちにも示唆を与えてくれています。
「いつ・どこで・どんな揺れが起きるか」はわかりませんが、確率を“ゼロ”とせず、べき乗則的視点(稀だけど必ず起きる)で捉えましょう。

ステップ②:準備する

揺れが少なくなったように見えても「備えを止めていい」というわけではありません。
– 家族・地域での連絡体制を確認
– 非常持出袋・備蓄のチェック
– 避難ルートと集合場所の再確認
この3点を年に1回、変化に合わせて見直す習慣を。

ステップ③:維持する

「揺れない=安心」ではなく、「揺れが落ち着いた=油断の危険あり」。
備えを“続ける”ことに意味があります。準備の更新・点検を習慣化し、自分自身・家族・地域で“備え続ける文化”を育てましょう。


5. 「停滞」ではなく「転換期」と捉える

「群発が止まったかも」と感じる今こそが、防災目線では 転換期 です。
数が減ってきた=安心、ではなく、「次のフェーズに移行した可能性」を意識することが鍵です。
例えば、数が減ったものの、深部では応力が蓄積されている可能性。別の断層が刺激され始めている可能性。
だからこそ、これを “予行演習” として捉え、「次の大きな揺れを想定して備える機会」として活かしましょう。


まとめ

  • トカラ列島群発地震は2025年6月21日以降、回数・規模ともに異例の活動を続けており、11月時点で累計およそ2,391回。

  • 7月20日以降、揺れの回数や規模は「やや落ち着いた」ように見えても、終息を示すには至っておらず、むしろ継続の可能性が残っている。

  • 科学的には構造・流体・断層連鎖という複合的視点から「続く可能性」がみえており、防災視点では「備えを止めない」ことが大切。

  • 今、備えを止めると、次の揺れが来た時に“慌てる側”になってしまう。だからこそ、今日から準備を継続しましょう。

  • 最後に一言:備えは愛だ!


出典(本文中引用分)

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